80年代初頭に緊縛師としてデビュー、
以後数多くの雑誌や映画で緊縛を担当。「夜の学校」の定期開催の他、国内外で精力的に緊縛ワークショップを開催し、緊縛指導書などの制作も行う。
近年は他分野のメディアやアーティストと積極的にコラボレーションを図り、芸術性の高い独自の緊縛世界を展開。
音楽家・沢田穣治とのユニット「東京縛音舞」を筆頭に、活動の幅を広げながら緊縛の可能性を模索し続けている。
有末剛はこう語る。「緊縛とは抱きしめること」
縄を介した刹那の語らいは、対象者が内包した世界と、語ることが叶わぬ言葉を世に送り出す。
そこに現れる人の姿の美と儚さ、
そして官能は見る者を魅了せずにはおかない。
自らは黒子に徹しながらもその存在そのもので空間を支配する。
一瞬にして空気の色を変え、縄を持たぬまま空間すら縛める。
彼は緊縛師そのものだ。
(モデル/田沢麻紀)
ステージのみに留まらず、近年ますます有末剛の活動は活発である。
1987年公開すずきじゅんいち監督・石井隆原作「赤い縄 果てるまで」にて緊縛監修を務めて以降、多くの石井隆監督作品において緊縛監修、また出演。
近年では、2013年9月公開の壇蜜主演映画『甘い鞭』において緊縛と出演。
2014年、テレビドラマ「トクボウ」の緊縛監修の他、第1作より緊縛を施している映画「花と蛇」シリーズの新作「花と蛇ZERO」が5月公開。
緊縛監修を務めた友松直之監督作品「緊縛絵師の甘美なる宴」が9月公開。
小説「おやじ男優 Z 」が池島ゆたか監督作品として映画化され10月より上映・順次公開。
「緊縛師A 恍惚と憂鬱の日々」(太田出版刊)など、軽妙な語り口の著作は可笑しさがありながら人の悲しみと営みを描くものが多く、人々の共感を呼んでいる。
同時にイベントやアート作品のプロデュースやコラボレートなど多方面において活躍、自身も写真家として活動を始める。
2015年以降、グループ展出展・主催、二人展開催など活発に活動を展開。
( ※ 左記掲載/有末剛撮影作品 「HUG DOLL 1」 )
また緊縛師としての数多くの経験により得た理解を次第に深め、
自ら得た「官能についての見識」を伝える活動を開始。
緊縛師であり官能研究家。写真家であり作家。
その要素の全ては丹念に紡ぎ出され、独特の世界を築いていく。
縦横無尽に展開され結実していく、有末剛の緊縛世界。
予想もつかぬ今後の展開が期待される、実に稀有な緊縛師である。